THE SHARE HOTELSと共に、地域の人と経済の新たな循環を生み出す
清水さん2016年入社
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人と接する仕事が好きで、サービス業に惹かれた清水さん。「サービス業を極めたい」と専門学校に入り、ウェディング業界を経てTHE SHARE HOTELSで働いています。今は接客のスーパーバイザーとして、そして「SHARING WITH LOCALS(地域との共生)」の体現者として、地元とホテルを繋いでローカルの魅力を伝え続けています。
人と接する仕事が好きで、サービス業に惹かれた清水さん。「サービス業を極めたい」と専門学校に入り、ウェディング業界を経てTHE SHARE HOTELSで働いています。今は接客のスーパーバイザーとして、そして「SHARING WITH LOCALS(地域との共生)」の体現者として、地元とホテルを繋いでローカルの魅力を伝え続けています。
THE SHARE HOTELS に入社したきっかけ
清水さんが、THE SHARE HOTELSで働くまでのことを教えてください。
学生の頃から人と接する仕事が好きで、居酒屋でアルバイトをしていました。「このままサービス業を続けるなら、その道を極めたい」と思って調べるうちに、ホテルは究極のサービス業だと考えるようになって、ホテル専門学校に進むことにしたんです。
ただ、専門学校では高級ホテルのサービスについて学ぶことが多くて、私が思い描いていたサービス業とのギャップを感じました。富裕層向けの世界的に有名なホテルマンに憧れた時期もあったのですが、それは誰もが受けられるサービスではないんです。私は、もっと門戸の開かれた場で働きたかった。ちょうど担任の先生に「地元に結婚式場ができるから話を聞いてみたら」と言われたのを機に、ウェディング業界で働くことにしました。
一度はウェディング業界に気持ちが移ったんですね。
実は、ウェディング業界での学びは大きかったんです。専門学校の時は「宴会のサービスは誰でもできる」と思っていたのですが、ウェディングは一生に一度の披露宴です。「絶対に喜んで帰ってもらおう」という思いで取り組むうちに、サービスマンとしての本領が発揮できる場だと知って、仕事の醍醐味を味わいました。
披露宴という限られた時間の中で満足してもらうには、どんなトラブルがあってもすぐにリカバリーする能力が必要です。ウェディング業界を経験して、臨機応変な対応力が身についたと思います。
そのあとにTHE SHARE HOTELSに出会ったのですか?
私は旅行が好きで、よくゲストハウスに泊まってゲスト同士の交流を楽しんでいたので、「いつかゲストハウスを運営したい」と思っていたんですね。でも、資金的に難しくて諦めた時に、HATCHi金沢のオープンを知りました。コンセプトや代表メッセージを見て「まさに私がやりたかったことだ!」と感じて、応募するしかないと思ったんです。ご縁をいただいて2016年に入社して、HATCHiで2021年まで働き、HakoBA函館に異動してきました。
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コンセプトに共鳴して、地域に飛び込んでいった
今はどんな仕事をしていますか?
HakoBAのフロント業務をしながら、新入社員の育成を担当しています。また、地元の方とホテルを繋ぐためのイベント企画なども担当しています。
HATCHiには「北陸ツーリズムの発地」として、金沢だけでなく能登や富山、福井といった北陸全体の魅力に触れてほしいというテーマがあります。それで、入社後に北陸の知られていない観光資源をリサーチして、その情報をイベント企画で発信してきました。そのうち、地域とホテルを繋ぐ役割を任されるようになったんです。
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その役割の中で、清水さんの心に残っている出来事はありますか?
2ヶ月に一度、HATCHiに泊まりに来てくださるお客様がいました。私と同じ鞄を持っていたことから話が盛り上がって、よく話すようになったんです。それが、ある時から宿泊のご予約が途切れて。どうしたのかなと思っていたら、金沢市内でばったり会いました。実は、ホテルに通ううちに金沢が気に入って移住したと言うんです。移住という大きな人生の決断に私たちのサービスが貢献できたことが嬉しくて、良い思い出になっています。
まさに、THE SHARE HOTELSのコンセプト「SHARING WITH LOCALS」を体現したエピソードですね。
お客様に北陸の情報をお伝えして実際に足を運んでもらうことで、地域の方々との交流が生まれるし、経済的にも貢献できていると思います。HATCHiを通じて、小さいながら地域内で人やお金の循環が生まれているのを感じるんです。地域に貢献できている実感があって、それが仕事のやりがいや喜びに繋がっています。
HATCHiは2017年から始まった奥能登国際芸術祭に関わっていて、私もボランティアスタッフとして芸術祭に参加していました。HATCHiはコロナ禍以降ホテルとしては一時クローズしていたのですが、令和6年能登半島地震が起きた際に、芸術祭で知り合った珠洲の方から「HATCHiを使わせてもらえないか」と連絡がきたのです。会社と相談して、HATCHiを被災者の受け入れ施設として開放しました。私たちには「SHARING WITH LOCALS」というコンセプトが根付いているので、普段から地域との関係を大切にするのは自然なことです。開業以来コツコツと積み上げてきた信頼が、震災という非常時に形になって現れたのだと感じた出来事でした。
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THE SHARE HOTELSスタッフのファンを増やしたい
清水さんが、これからやってみたいことは何ですか?
ウェディング業界にいた頃から目指している姿があるんです。それは、どんな場所で働いていても「清水さんがいるから来たよ」と言ってもらうこと。そのためには、お客様に一歩踏み込むサービスが必要です。例えば、お客様が身につけているものや目線の先にあるものから話題を見つけて、それをきっかけに会話を広げてみる。ホテルスタッフとしての振る舞いから、自分を信頼してファンになってもらえるように努めてきました。
これからは接客のスーパーバイザーとして、THE SHARE HOTELSで働くみんなのファンを増やしていきたいと思っています。そのために、私がこれまでインプットしてきたノウハウを次の世代に伝えていきたいし、新しく入ってくる方の力が発揮できる環境を整えていきたいです。
私自身「SHARING WITH LOCALS」というコンセプトに惹かれていますから、今後も積極的にローカルに飛び込んでいきます。これからどこでTHE SHARE HOTELSがオープンしても、その地域とホテルを繋ぐ架け橋になっていきたいですね。
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イチオシのローカルスポット
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HakoBAのある西部地区、旧市街とも呼ばれていますが、このエリアが面白いです。小商いが増えていて、お店同士の仲が良いんですね。街全体が一つのコミュニティのようです。
私がよく行くお店の一つが「cafe water」です。大三坂という函館を象徴するような坂道の中腹にあって、土蔵をリノベーションした雰囲気の良い空間です。隣には「SMALL TOWN HOTEL」という宿泊施設もあり、同業同士で話が盛り上がります。ツーリストも地元の方も集まってくるホットスポットです。
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大三坂の途中、古い蔵をリノベーションした店内ではこだわりのスピーカーから流れるBGMと共に、道内の農家から仕入れた野菜や国内外のナチュラルワインを楽しむことが出来きます。ランチは予約制です。
北海道函館市末広町18-25
Instagram|@cafewater_
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Written by Ayumi Ishikawa, Photo by FOLPHOTO