自分らしさを求めた先に、深い学びと寄り添う接客の魅力を見つけた
西村さん2019年入社
西村さんは大学で外国語を学び、卒業後は保険会社に就職しました。ただ、「自分らしく働きたい」という思いが消えずにTHE SHARE HOTELSに転職。現在は、建物の一部が登録有形文化財である「TSUGU京都三条」と、京都御所に隣接する「RAKURO京都」でマネージャーを務めています。彼女は、「この二つのホテルには日々成長できる職場環境が整っている」と話してくれました。
西村さんは大学で外国語を学び、卒業後は保険会社に就職しました。ただ、「自分らしく働きたい」という思いが消えずにTHE SHARE HOTELSに転職。現在は、建物の一部が登録有形文化財である「TSUGU京都三条」と、京都御所に隣接する「RAKURO京都」でマネージャーを務めています。彼女は、「この二つのホテルには日々成長できる職場環境が整っている」と話してくれました。
THE SHARE HOTELS に入社したきっかけ
西村さんがホテル業界に入ったきっかけを教えてください。
前職は保険会社の営業でした。営業職で働く両親に憧れていたし、大卒だから“お堅い仕事”がいいと思って選んだ職です。いま思うと古い考え方だとわかるのですが、サービス業は学生でもできると思っていたんです。
保険会社で働くうちに、長い人生の中で仕事は大きな割合を占めるのだから、もっと自分らしく、楽しく働きたいと思うようになりました。大学で英語を学んだし、人に喜んでもらうことやホテルが好きだったのでホテル業界への転職を決めました。
なぜ、THE SHARE HOTELSを選んだのですか?
私は、どこかユニークな取り組みをしている場所に惹かれます。個人的に泊まるのも、カフェ併設など他業態に挑戦しているホテルを選んできました。THE SHARE HOTELSはホテル業以外の活動にも積極的に取り組んでいるし、働く人の明るい雰囲気が好きです。ここなら自分らしく働けると思ったんです。
“学生でもできるサービス業”という考え方は、どう変わりましたか?
価値観が大きく変わりました。マニュアル通りの一定のサービスであれば、多くの人ができると思います。でも、もう一歩深く寄り添う接客や、無理をせずに心からお客様に向き合ったサービスは誰でもできるわけではないと分かってきました。
ホテルで働いて6年が経ちました。西村さんの思い出になっている出来事は何ですか?
ドイツから旅行にきたお客様が、カフェで使用している備前焼のラテボウルを買いたいとおっしゃったんです。お店で使用している食器なので販売できないのですが、どうしても自分が飲んだ器が欲しいというので、店長・オーナー・支配人と了解を取って購入してもらえることになりました。館内で会うたびにお客様から「本当にありがとう」と言ってくださって嬉しかったし、備前焼の文化にも興味が湧いたようで、物販コーナーにある別の器も購入して帰国されました。物販一つのささいな出来事ですが、お客様の希望を叶えられて、思い出に残るものをお届けできたことが良い思い出になっています。
学びは、最高の接客ツール
今はどんな仕事をしていますか?
TSUGUとRAKUROでマネージャーをしています。後輩たちの成長をサポートするスタッフ育成や会計業務、ブランディングの一環でSNSの発信など広報業務も担当しています。
TSUGUは建物の一部が登録有形文化財で、インテリアデザインが建築デザイナーの関祐介さんです。建物自体も特徴的ですが、お客様にはどんなことを伝えているのでしょう。
国内外から近代建築が好きな方や関さんのファンが訪れてくれます。建物の魅力についてお客様と話す機会も多いのですが、建築を専門で学んだわけではないので、お客様が話していることを理解できるように近代建築に関する人名や用語を覚えるように心がけています。
具体的には、近代建築関連のSNSをフォローして知識を深めたり、関さんが設計された場所に行って自分なりの感想を持つようにしています。また、TSUGUがある三条通の周辺は近代建築が多く残っている地域です。建築好きのお客様にはホテル周辺のまち歩きを勧めて、地域の魅力を楽しんでもらいます。まちの建築から時代の移り変わりを感じることで、より深くTSUGUの建築や内装を味わっていただける気がするんです。
RAKUROは京都御所に隣接した立地で、植物を取り入れている点に特徴があります。TSUGUとは違う対応が求められそうですね。
館内は京都御所の豊かな自然を感じる要素が散りばめられていて、ラウンジにはお部屋でお使いいただけるアロマスプレーを植物から精製する小さな蒸留所「ボタニカルラボ」が併設されています。お客様は、スタッフが植物の蒸留をする様子を興味深く見てくださるんですね。蒸留している植物の種類や香りの特徴をお伝えすることから、自然に会話が生まれます。
RAKUROは、京都に滞在することそのものを楽しみたいお客様が多いです。私は、蒸溜する植物や館内アートの理解を深めつつ、ご質問があれば適切にお答えできるように心がけています。
地域に根ざす取り組みは、自分の成長にも繋がる
今後やってみたいことは?
THE SHARE HOTELSのコンセプトは「SHARING WITH LOCALS(地域との共生)」です。これからは、コンセプトをもっと体現するために、例えば、TSUGUで近代建築のイベントをして宿泊者と近隣住民が学び合うような場を作ってみたいです。RAKUROは蒸留所が特長ですが、まだ空間の提供しかできていないのが現状です。今後は京都御所に隣接した立地を活かして、お客様に京都のエッセンスを感じてもらえるサービスを考えていきたいです。
西村さんにとっての「SHARING WITH LOCALS」を教えてください。
以前、地域の方々とお話する機会があったのですが「ホテルに入りたかったけれど、入れなかった」という声が多かったんです。その言葉を聞いて、もっと地域の方たちを大切にしないとホテルの土台が揺らいでしまうと感じました。地域と共生するというのは、建物がそこにあるだけでは意味がないし、自分たちが先走ってもいけない。THE SHARE HOTELSの土台になっているのは、地域の皆さんの理解や応援なんです。
地域の皆さんに「あのホテルは良いね」と言ってもらうために、まずは館内に入って魅力を感じてほしいんです。近所の方と宿泊者が一期一会の出会いを楽しめる企画など、これからも私なりの「SHARING WITH LOCALS」を進めていきたいです。
最後に聞きます。西村さん自身の目標や未来のビジョンは?
私は、長い人生の最後に後悔したくないという思いが強いです。そのために、どこに行っても活躍できる選択肢の多い人生を歩みたいんですね。前職で営業力を身につけたので、次は後進に道を示せるような人になりたいし、マネジメント力を上げていきたいと思っています。
THE SHARE HOTELSは縦割りの組織ではないので、フロントも飲食も幅広く経験ができます。「やりたい」と手を挙げれば挑戦させてくれる土壌があるので、自分しだいでスキルを磨いていける。これからも新たな経験を積み上げて、多方面で活躍できる人材になりたいです。
イチオシのローカルスポット
TSUGU京都三条の近くにあるコーヒースタンド併設のレンタサイクルショップです。サイクリングツアーの企画もしている店主は、お客様の要望に合ったサイクリングルートの提案もしてくれます。京都のローカルの良さを伝えようとする姿勢が私たちの取り組みと重なる部分があって、お気に入りの場所です。
コーヒースタンドを併設したレンタサイクルショップ。モダンクラシックなスタイルのシティバイクから実用的なロングテールバイクまで様々な自転車がレンタルできます。店主が自らガイドを務めるサイクリングツアーではガイドブックには載らないローカルな京都を知ることができます。
京都市中京区堺町通姉小路下る大阪材木町685-1
Instagram|@the_good_day_velo
Written by Ayumi Ishikawa, Photo by Shotaro Ichihashi