ARTS & CRAFTS
アーツアンドクラフツ
京都御所を囲む豊かな自然をイメージの源泉に、自然や植物を感じるエッセンスを館内に取り入れております。観葉植物や象徴的な植物オブジェをはじめ、アロマの蒸留器具、さらには植物をモチーフにしたアート作品や工芸品、選書などがゲストラウンジを中心に配され、自然や植物との調和を感じていただけます。
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植物の記憶:北山中川の窓 / 佐々木類
1F BOTANICAL LAB.
RAKURO KYOTOの壁面に無数の植物が白く輝きを発して並んでいます。本作は、ガラスを素材に制作する佐々木類の作品です。北山杉の産地として知られる京都市北区中川にて、作家自ら初春に採取した草花を、2枚のガラス板に挟み、焼成してつくられています。水や養分を通わせた葉脈、土中まで張りめぐらされた根、そして空気を内包する気泡など、草花の生きた痕跡が灰としてガラスの中に永遠に保存され、幽玄な自然界を呼び起こすような雰囲気をまとっています。
素材:ガラス、植物(2023年3月25日に北山中川地区で採取)、LED、スチール枠
佐々木類
1984年高知県生まれ、石川県拠点。身近にある自然や気候に関心を寄せ、主に保存や記録が可能な素材であるガラスを用い、自分が存在する場所で知覚した「微かな懐かしさ」のありようを探求している。国内外の展覧会や滞在制作を精力的に行う。近年の主な展覧会に“インタラクション:響きあうこころ”(富山市ガラス美術館)、個展“Subtle Intimacy: Here and There”(ポートランド日本庭園)がある。ニューヨークタイムズ紙やVogue誌などに作家特集が掲載される。 -
ボタニカルオブジェ / みちくさ
1F GUEST LOUNGE
GUEST LOUNGEの窓先に吊られた、あたかも自然をそのまま持ってきたかのようなオブジェは、京都にて造園施工を手掛ける「みちくさ」によるもの。京都の⼭林に植生する様々な植物が植えられており、季節とともに変わりゆく自然の姿も是非お楽しみください。
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蒸留器具 / 桐山製作所
1F BOTANICAL LAB.
BOTANICAL LAB. の蒸溜器具は東京都荒川区にて理化学用実験ガラス器具の製造をおこなう桐山製作所のもの。既成の香油水蒸気蒸留装置をRAKURO用にアレンジを加えています。
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アート・工芸・古物 / kankakari
1F GUEST LOUNGE
GUEST LOUNGEには、京都市北区・船岡山のギャラリー「kankakari(主宰 鈴木良)」が選定した自然や京都古来の文化を感じられる絵画や⾦工作品、花器をはじめ、琵琶湖の大舟板や大茶壷などの各種古物などもご覧いただけます。
作家
maki hamanaka / 秋野ちひろ / chikuni / 渡辺隆之 / 山本雅彦
kankakari / 鈴木良
パリ第八大学美術学科卒業後、写真家、古物の蒐集家としてフランスに14年間在住。帰国後、広島にギャラリー「cite」をオープン。2022年、京都市北区紫野に拠点を移し「kankakari」をオープン。自身の監修により改修した築100年の民家にて、工芸/古物/美術の企画展を行う傍ら、古物の蒐集や空間のスタイリングを行う。 -
選書 / 誠光社
1F GUEST LOUNGE
GUEST LOUNGEでは、京都御所の東、河原町丸太町にある書店「誠光社」が自然や植物、発酵などをテーマにセレクトした書籍をご覧いただけます。
誠光社
店主の堀部篤史は、1996年恵文社⼀乗寺店にアルバイトスタッフとして勤め始め、2002年より店⻑を務める。2015年同店を退社、独⽴し、同年11月、河原町丸太町 の路地裏に書店「誠光社」をオープン。著書に『本を開いてあの頃へ』、『本屋の窓からのぞいた京都』『街を変える小さな店』などがあるほか、雑誌連載など 執筆活動も⾏う。 -
清水焼のタイル / 洸春窯 高島慎一
1F LOBBY
清水焼の窯元・洸春窯の高島氏が手掛ける焼き物は、中国伝来の「交趾(こうち)焼」の鮮やかな色彩と、粘土をクリームのように絞り出し絵付けを施す「いっちん」という技法を用いているのが特徴。「いっちん」を用いることで絵柄に凹凸が生まれ、立体的な絵付けを施していきます。ひとつひとつ手書きで絵付けされた壁面タイルの不揃いな線の味わいと独特の手触りをお楽しみいただけます。
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鍾馗 / 浅田製瓦工場 浅田晶久
1F ENTRANCE & COURTYARD
当館エントランス庇やフロントに鎮座する像・鍾馗(しょうき)さんや中庭の敷瓦は浅田氏よるもの。鍾馗さんは魔除け・厄除け・学業成就として京町屋の屋根に置かれるなど街並みには欠かせない存在ですが、この「京瓦」の伝統技術を継ぐ職人も減り、現在では浅田がただ一人の京瓦鬼師となっています。浅田氏の瓦や鬼瓦は手作りでしか対応できない歴史的建造物の修復などに使用され、南禅寺や東寺、今熊野神社など有名社寺の屋根を彩っています。