KAIKA TOKYO AWARD 2024 結果

KAIKA TOKYO AWARD 2024は、秋元雄史氏(東京藝術大学名誉教授/金沢21世紀美術館特任館長/国立台南芸術大学栄誉教授/美術評論家)と山峰潤也氏(キュレーター/プロデューサー/株式会社NYAW代表取締役)を審査員に迎え、2023年12月11日~2024年2月11日を募集期間として開催いたしました。全国から絵画、陶芸、彫刻、音声作品など287点の作品の応募があり、受賞3作品(3作家)と入選14作品(13作家)を選出しました。これらの計17作品は、2024年3月から館内に約2年間収蔵展示され、国内外から訪れる多くの宿泊客に鑑賞されます。

KAIKA TOKYO AWARD 2024 大賞
戸張 花「MASS」

<秋元 雄史氏 コメント>
戸張さんの作品は、鉄の素材で出来ていて、細い鉄が無数に絡まり合うように立方体の形態をつくっています。植物の無軌道に繁茂していくようなエネルギーが乗り移っているような、不思議な生き物感があり、幾何学的な形態との対比が面白ですね。なんだが静かな狂気を感じられる作品でした。

<山峰 潤也氏 コメント>
戸張さんの作品は、中心から拡がるようにつくられていて、本人は自然の美しさを表したと言われていましたが、実際に我々が原生林的自然の中にいることは殆どなく、生垣のように切り取られた自然を“自然”として見ていることが多くあります。自分で自然のようにつくってきたものを、四角く人口的な形に切り取っており、背反しているものを一つの中に共存させている状態が重要だと感じました。

KAIKA TOKYO AWARD 2022 大賞 - 戸張 花「MASS」

KAIKA TOKYO AWARD 2024 秋元雄史賞
倉敷 安耶「Transiton #Ophelia」

<秋元 雄史氏 コメント>
倉敷さんの作品は、ミレーの『オフィーリア』の場面を、アダルト女優の画像をつぎはぎし、コラージュしたもので出来ています。歴史的な作品を引用しながら、日本のアダルト産業が海外からイメージされているあり方や、女性を取り巻く社会的問題を含んでいます。ご本人の説明も最初から最後まで筋が通りわかりやすく、サイズ感もあり、作品としての完成度を感じました。

KAIKA TOKYO AWARD 2024 秋元雄史賞 - 倉敷 安耶「Transiton #Ophelia」

KAIKA TOKYO AWARD 2024 山峰潤也賞
足立 篤史「Apollo 11_Ham the Chimp」

<山峰 潤也氏 コメント>
足立さんの作品は、チンパンジーや犬が宇宙に送られた史実を元につくられています。船外活動はしないため宇宙服は着なかったのですが、当時の雑誌や新聞を生地にフィクションとして出来ています。“アプロプリエーション”という、形態や素材やコンテキストを重ね合わせ、新しい文脈をつくるという手法を用いているのですが、ディテールも際立ち、特に当時の雑誌や新聞の蒐集に執念を感じました。

KAIKA TOKYO AWARD 2024 山峰潤也賞 - 足立 篤史「Apollo 11_Ham the Chimp」

その他入選作品(作家名50音順)
石森五朗「織り成す記憶の絵羽」
伊勢崎寛太郎「self-portrait – 1783mm」
井原信次「Love Your Neighbor」
大野光一「おしなべて」
片桐正義「trace」
金子未弥「未発見の小惑星観測所_黄金町秋のバザール」
河端政勧「休息」
川部紅美「ナルシシズム」
KIMU「EASY COME, EASY GO!!」
土屋裕介「Two -dancer-」
八澤季実「あたらしい神様-Ⅳ」
YuuuRA「観測者による未来予想図」
Liisa「何処へ行こうか(東山/京都・冬)」、「さあ次の町へ行こう(和歌山・秋)」

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